出雲大社境内案内(その2)
皇后陛下御歌碑
天皇皇后両陛下は平成十五年に出雲大社を御親拝されました。皇后陛下がお詠みになった
「国譲り 祀られましし 大神の 奇しき御業を 偲びて止まず」
という御歌の碑です。
御慈愛の御神像
参道を進んでいくと左に見えてくるのが、あの有名なお話の大国主大神さまと因幡の白兎をモチーフとした「御慈愛の御神像」です。皮をむかれて裸になって泣いて困っていたうさぎに、やさしく治療法を教えてあげられたのが、大神さまなのです。
ムスビの御神像
因幡の白兎像の反対側にあるのが、「ムスビの御神像」です。これは国造りをされた大国主大神さまを幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)が助けられた神話に基づいています。海の向こうから光がやってきた、という話をモチーフにしています。
両手を挙げたポーズをまねして写真を撮る人もいますが、神社の中ではあまりそういうことはしない方がよいのではないでしょうか。
手水舎
御本殿にいよいよ近づいてきました。ですがその前にこの手水舎で手や口を清めましょう。ひしゃくに直接口を付けず、手のひらに貯めてから口をすすぎます。
銅鳥居
「銅鳥居」をくぐって荒垣内に入ります。垣根を越える度にまた一段と重要な聖域となります。
この鳥居は長州の殿様毛利綱広が寄進したものです。毛利家は大江氏の出と言われ、大江氏の祖が出雲大社の宮司家である千家国造家と同じ天穂日命であるため、崇敬の念が篤かったようです。
なお、この銅鳥居を触ると金運か何かがよくなるという話が広まってるそうですが、由来から考えても、特にそんなことはないと思います。
神馬・神牛
馬と牛の像です。これも触るといいことがあるという話が一部で広まっているそうですが、それよりも、しっかり神前でお祈りしましょう。
拝殿
銅鳥居をくぐって左前に見える建物が「拝殿」です。拝殿では大国主大神さまに人々がお願いを申し上げる御祈願がお取り次ぎされます。また、古伝新嘗祭や神在祭の神等去出祭などの重要なお祭りも行われます。
八足門
拝殿の横を進んでいくとあるのが「八足門(やつあしもん)」です。この八足門が一番御本殿に近いところですので、ここで拝礼しましょう。ここより中を大国主大神さまの「おにわ」と申しますが、おにわへは通常入ることができません。許可された人だけが入ることができます。正月三が日は特別にこの八足門から進んで、中にあるもう一つの門「楼門」の前で参拝することができます。
八足門の階段下に、赤い丸が書かれたところがありますが、古代の高層神殿の柱が発掘されたところです。三本の木を束ねて太い柱にして、真っ直ぐに伸びた柱の上に神殿があるというのが古代出雲大社の神殿でした。
御本殿
出雲大社の「御本殿」は高さ24メートル。神社の神殿としては最大のものです。さらに古代はその倍48メートルの高層神殿が建っていたといわれています。現在の建物は江戸時代中期の建築で、平成25年の「出雲大社 平成の大遷宮」にて建物の修繕と屋根の全葺き替えが行われ、麗しくよみがえりました。
平成20年の仮殿遷座祭で大国主大神さまが御仮殿に移られた後、御本殿特別拝観が行われましたが、次回の遷宮まで、私たちが御本殿の建物内に入ることはありません。
東十九社
八足門からぐるりと回ってる垣を瑞垣(みずがき)といいます。これに沿って右側から参りましょう。すると見えてくる横にとても長いお社が「十九社(じゅうくしゃ)」です。通常は全国の神々の遙拝所ですが、毎年旧暦10月の神在祭の期間中は、会議のため集われた八百万の神々の宿舎となります。十九社は東西に一つずつあります。
釜社
右十九社の隣にあるのが「釜社(かまのやしろ)」です。釜社には食物全般をつかさどられる神さま、宇迦之魂神(うかのみたまのかみ)がお祀りされています。
御本殿の御屋根
釜社の北あたりは御本殿の御屋根が美しく見られる場所です。
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