遷宮、それは神さまの力のよみがえり

遷宮、それは神さまの力のよみがえり

 「遷宮(せんぐう)」、今まで神社関係者以外にはあまり知られていない言葉でした。平成二十五年は五月に出雲大社の平成の大遷宮、十月には神宮(伊勢神宮)の式年遷宮が行われ、一般の人にも一気に有名になりました。出雲大社は六十年ぶり、伊勢神宮は二十年ぶりの遷宮となります。

 遷宮とは簡単にいえば社殿の修復ということになります。神社の社殿は木造建築ですから、長い年月が経つにつれ痛んできます。これを定期的に修造しますが、その修理中神さまには他の建物に移っていただきます。宮が遷るということで、神社の社殿修造のことを遷宮というのです。

出雲と伊勢の遷宮

 出雲大社の場合は遷宮を現在は約六十年ごとに行っています。江戸時代の本殿より礎石を使うようになりましたので、本殿の建物は建て替えず修理しています。ただ、出雲大社は神社で最大の御本殿ですが、檜皮葺の屋根は傷むのですべて取り替えとなります。
 出雲大社「平成の大遷宮」は、まず平成二十年に仮殿遷宮祭がお仕えされて、大国主大神さまに拝殿を御仮殿としてお移りいただきました。そして修造なった平成二十五年に本殿遷座祭をお仕えして、大神さまには元の御本殿にお戻りいただきました。

 伊勢神宮の場合は、社殿の隣に同じ面積の用地がありますので、そこに新しい社殿を建てます。ですので遷宮祭は古い本殿から新しい本殿に移られる一度だけになります。伊勢神宮の場合は必ず二十年ごとに行います。きっちり期間を決めて行う遷宮のことを式年遷宮といいます。 途中戦国時代に中断された時はありますが、式年遷宮は奈良時代より行われてきました。

遷宮の意義

 遷宮は社殿の修理、更新、あるいは新築ということになるわけですが、宗教的にはそれだけにはとどまりません。は単に建物が新しくなったということだけではなく、その新しい、清らかな社殿にお鎮まりなった神さまはさらに力を増されるということです。これが最も重要なことです。
 清新な神の力のよみがえりというのが遷宮の意味することです。

遷宮と奉賛

 遷宮には莫大な費用が掛かります。神社も毎年の収入からそのためのお金を貯めておくわけですが、それだけではまったく足りません。そこで、崇敬者のみなさまから奉賛を頂くわけです。それは今も昔も同じです。例えば歌舞伎の始祖といわれる出雲阿国は出雲大社の遷宮の費用を集めるために各所を回っていたと言われています。
 みなさまもぜひ、御奉賛ください。出雲大社は平成の大遷宮第二期事業が続いておりますし、伊勢神宮もすでに次の遷宮に向けて動き出しています。また、みなさまの近くの神社でも遷宮が行われているかもしれません。みなさまの御浄財によって神社を維持し、次代に引き継いでいくことができるのです。

お参りしましょう

 ぜひみなさまも遷宮なった神社にお参りし、さらに力を増された神さまからお力をいただいてほしいと思います。また、この機会に自分も新しくよみがえるという気持ちになってはいかがでしょうか。今までの自分を振り返り、初心に戻り、またこれからの目標をしっかり見据えて、新しい自分をスタートさせてください。そのことを神さまに誓ってみてください。きっと応援して頂けることでしょう。

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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

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