斎戒(さいかい)
斎戒(さいかい)とは、祭りに際して心身を清めて、禁忌を守って行動を慎む事です。 潔斎(けっさい)、物忌(ものいみ)という言葉も使います。
神とつながるには私たち人間が心身共に清浄であることが必要となります。神職は神前、神さまのより近くで奉仕するわけですから、厳しい斎戒が必要となります。
神社本庁の規定ではこのように書かれています。
「凡そ神明に仕へる者は、浄明正直を旨とし、恭敬の誠を致すことを常道とし、祭祀を行ふに当つては、特に斎戒を重んじ、その精神の徹底をはかり、禁忌を慎み、過失遺漏のないやうにつとめなければならない」
そして、第一条では祭典に奉仕する神職は大祭、中祭の場合は当日と前日、小祭の場合は当日斎戒することとしています。
では、斎戒とはどういうことをするのか、第二条に書かれています。
「二、斎戒中は、潔斎して身体を清め、衣服を改め、居室を別にし、飲食を慎み、思念、言語、動作を正しくし、汚穢、不浄に触れてはならない。」
風呂で体を清めること始め、清浄な衣服を着ます。大きな神社では斎戒のための斎館がありますので、そこに入ります。絶食ということではありませんが、なんでも食べていいというわけではありませんし、酒などはもちろんいけません。さらに心も清浄でないといけません。
これは神職への規定であって、一般の参列者にはここまで要求されませんが、神社のお祭りに参列する際、取り入れてみるのもよいことであると思います。
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<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
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