他の店が安かった時に
ある日、スーパーである品物を買って、いつもはハシゴしないのに、たまたま用事があって他の店に行って見たら、そちらの方が安かった。金額はたいしことはないけども、なんかめちゃくちゃ損したような気分になる、なんてこともあります。
私は以前インターネット通販の会社を立ち上げて経営していました。ネット通販は価格比較が簡単ですし、競争も激しいですから、他店が値段を下げたら、こちらも対抗して下げなければなりません。ついこの前、あるいは昨日買ってもらった人は損をすることになります。申し訳ないなとは思いますが、どうにもなりません。
それから、私はめったにタクシーに乗ることはないのですが、たまに乗ってみたら、やっと家が見えてきて、その辺りでと言おうとした瞬間に料金メーターが上がった、なんてことがあります。何か納得できないという気持ちが起こるのも正直なところですが、その金額で支払わないわけにはいきません。運転手さんも気まずそうですが。
スーパーにしろタクシーにしろ、そんな時私は、損をしたと嘆いたり不愉快に思ったりしないことにしています。その人(店の人)は何かいいことしたから、それが回ってきていいことがあったのだろう、と思います。自分にとっては損ですが、その人にとっては運がよかった、ということになります。運も回りものだと思っていますので、また自分にも運が回ってくるでしょう。
騙されたとかなら問題ですが、損をしたといってもたいした額でもないのなら、嘆いたり怒ったりしてもたいして意味はありません。損したとクヨクヨしたり、あとでまた思い出して頭に来たり、という状況が続く方がよほど健康によくありません。冷静さを失って何かに八つ当たりしたり、失敗起こしたなんてことになったら、益々いけません。
人生自分が損をすることもあります。あまり気にせずに、前を向いていきましょう。
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<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
★教会長中島の本が出ました!
日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。