神さまであっても失敗することはあります

神さまも失敗する

 人間、誰でも失敗することがあります。失敗しようと思って失敗する人はいませんが、自分の不手際や不注意などが原因でそうなってしまうこともあります。失敗するとがっかりして自分をふがいなく思いますし、それで人に迷惑を掛けたとなると、さらに気落ちします。

神話より

 古事記や日本書紀といった日本の神話を読まれたことがない方は、ぜひ一度読んでいただきたいのですが、その中にはたくさんの興味深い物語が展開されています。

 その中の一つに、このような話があります。
 ニニギ命は天照大御神の御孫神で、高天原から降臨して地上を治めることになられた神さまでもあります。命は美しい女神の木花之佐久夜毘売(コノハナサクヤヒメ)を見初めてお后とされます。その父親である大山津見神はこれをとても喜んで、姉の石長比売(イワナガヒメ)も一緒にお后にと送ります。しかし、命は醜い石長比売見て、その姉だけを送り返されてしまいました。

 大山津見神は嘆いてこう言われました「姉妹をお后としていれましたのは、石長比売をお使いされるのなら、御子の命は岩のように長く、永遠のものになり、木花之佐久夜毘売をお使いされるのなら、花のように繁栄するからです。石長比売だけを送り返されるのなら、木の花のように繁栄されるけれども、御寿命も花のように短くなるでしょう」
 こういう訳で、歴代の天皇の命も限りあるものとなったのです。

失敗談も伝える

 あくまでも神話ではありますが、大きな失敗です。日本の神話には他にも神さまや天皇がご活躍される場面ばかりではなく、失敗された話もたくさん伝えています。印象に残る話が伝えられていった、ということもあるでしょうし、またこういうことをしてはいけないという反面教師として残されてきたのかもしれません。
 皇室の祖先の神さまの失敗ですから、古事記や日本書紀として編纂される際に、都合の悪い失敗談は消されてもおかしくないと思いますが、そうはしなかったのです。

はじめに

 私は神さまも失敗されることがあるのだから、人間が失敗することがあるのは当然のことだとお話ししています。もちろん、失敗するのはよろしくないことですから、必要ならばお詫びもしなければなりませんし、また次からしないように対策を立てなければなりません。
 でも、あまり気を落としすぎたり、自信をなくしてはいけません。失敗を生かして次にうまくやろう、と考えるようにしていきましょう。

→悩みに対してどうするか、一覧ページに戻る


<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

★教会長中島の本が出ました!
 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

お問い合わせ電話番号
〒603-8216
京都市北区紫野門前町44-43
地図
大徳寺前バス停より徒歩3分です

↑新着情報や行事予定など

↑出雲大社の写真がたくさん

↑神道、神主についての話

<お問い合わせ>
・TEL:075-491-2943
お問い合わせの入力フォームへ
・LINE@
  友だち追加数
LINE感覚で気軽に連絡できます

↑ PAGE TOP