誰にでも悩みはある
出雲大社紫野教会では「人生相談」を行っています。
たくさんの方のお話しを聞いていますが、いつも思うのは「人間誰にでも悩みがあるものだ」ということです。
人々の悩みは
もちろん、相談内容は誰にも漏らしませんので、相談者と私との秘密にしているわけですが、いろんな悩みがあります。仕事、恋愛、将来のこと。ただ一番多いのはやはり人間関係の悩みです。夫婦、子供といった家族、職場、友人との問題は身近なだけに大きいものになります。
男性も女性も来られます。人生がうまく行っていない人もいます。そういう人が悩みを持つのはわかりますが、結構恵まれた人生を送っている人も来られます。
貧乏な人の悩みは、たいていお金に関することが多く、お金さえあれば解決しそうなことが多いようです。そこで、お金持ちの人は悩みなんてないんだろうなあ、と思われる人が多いかもしれませんが、話を聞いているとどうもそうではないようです。お金持ちの悩みはお金では解決できないものです。お金でも解決できないというわけですから、かえって深刻といえます。
悩みは無くならない
これは相談した人から見たことではなく、世の中のいろんな人を見て思うことですが、一つ悩みが解消したからといって、悩みが無くなるわけではない、ということです。悩みが解決しても、また、新しい悩みが起こってきたり、あるいは今まではたいした悩みではなかったことが、大きく感じるようになった、ということもあるでしょう。
このような話を聞いても、今、大きな悩みを持っている人からすると、だから何なのだと思うかもしれません。しかし、他の人も何かの悩みを抱えているもので、悩んでいるのは決して自分だけではない、と知っておくのは大切だと思います。自分だけなんでこんな不幸なんだろう、と思う人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。自分から見て人生すべてうまく行っているように見える人にも悩みはあり、また実は大きな悩みを抱えているかもしれないのです。
話を聞く
人生相談において、私はいわゆる霊能者という人のように霊感で何か見えるわけではありませんので、とにかく相談者のお話を聞いて、私がその時素直に思ったことを少しお話しするだけです。どのような状況なのか、何が困っているのかをまずお話ししてもらい、次にその悩みに対してどうするかの選択肢をすべてお聞きします。それぞれの選択肢には利点もありますが欠点もあります。どれを選んでも何か問題があって選べない、そこで頭の中で同じところをぐるぐる回ってどうしていいのかわからなくなります。ですから、そこを改めて他の人に聞いてもらって、また違う店から見てもらうということで、新しい発見があるのです。
これは間違いありませんから、一人で悩まないで、ぜひ他の人に話してみてください。
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<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
★教会長中島の本が出ました!
日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。