窮地におちいった時は思いっきり前に出るしかありません

窮地におちいった時は

 司馬遼太郎氏の小説『坂の上の雲』に次のような話が出てきます。日露戦争当時の日本海軍の参謀が剣道を学んだところ、師匠の伊庭想太郎が言うには
「剣にかぎらず物事には万策つきて窮地に追いこまれることがある、そのときは瞬息に積極的行動に出よ、むちゃでもなんでもいい、捨て身の行動に出るのである、これがわが流儀の極意である」

ヤマトタケル命の物語

 八方ふさがりの窮地に陥った時思い切った行動に出る、神話のヤマトタケル命の物語を思い出します。

 第十二代景行天皇の皇子であるヤマトタケル命は、朝廷に従わない全国の賊を討ちに行かれます。東国に赴かれた時、途中駿河国(今の静岡県)で、従う振りをした賊に欺かれます。狩りによいところですと薦められた野原に入ったところ、賊は周りから火を掛けたのです。絶体絶命の危機です。

 周りのすべてを火に囲まれたヤマトタケル命は、剣を抜き周りの草を薙ぎ払われます。そして、火打ち石を出して、反対に賊に向かって火をつけられました。そうすると火が逆の方へ広がって、賊の方が焼かれてしまったのです。この時の剣は草薙剣(くさなぎのつるぎ)と名付けられ、現在は熱田神宮にお祀りされています。またこの土地は焼津と言うようになりました。

起業で苦労した時

 私は実は神主になる前に、自分で会社を立ち上げて経営していました。
 しかし、最初はなかなかうまくいかず本当に困りました。コンピュータの部品をインターネットで通販する店を始めたのですが、売上が低迷したままです。もうだめかもなと思ったのですが、ある時、とにかくなんでもやってみようという境地に至ったのです。そして、それがダメならあきらめて店を畳もうと覚悟しました。

 改めて一から考え直してみました。リアルの店にしろインターネット通販の店にしろ、小売業を突き詰めて考えると「店に来てもらう」と「買ってもらう」この二つに集約されます。とにかくまずは店に来てもらわなければならない、と考えて、そこで思いつくことをなんでもやってみました。すると、徐々にお客さんが増えて業績も上がってきたのです。

終わりに

 もちろん、なんでもやってみれば必ず上手くいくとは限りません。でも結局はとにかく、思いつくことをなんでも、思いっきりやってみる、これしかありません。やってみて上手くいかなったのなら、それであきらめがつきます。
 とにかく、ヤマトタケル命のように、こちらから火を迎え撃つ気迫を持って窮地から打って出ましょう。

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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

★教会長中島の本が出ました!
 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

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