つらい時は楽しいことを考えよう
つらいときには楽しいことを考える、これは必要なことです。
現代では仕事や家庭が原因になることが多いようですが、人生において非常につらい状況になることがあります。それがいつ終わるのかわかっていれば、まだそこまで我慢しようとなりますが、しばらくこのまま続きそうということになれば大変です。適当な人間はなんとかかわして、ごまかしながら生きていきますが、真面目な人ほど正直に受け止めてしまい、うつ病などにつながってしまいます。
つらいときには何でもいいから楽しいことを考えて、それを楽しみに生きましょう。楽しいことというのはそれだけ人を引きつけるものがあるからです。
神話では天照大御神が弟のスサノオ尊が暴れたため、天の岩屋戸に隠れられました。そのため世の中は真っ暗となり、八百万の神々は困ってしまいます。そこで取った策は、みんなでお祭りを行う、ということでした。鏡を作り、玉を作り、大きな榊を立てて、祝詞を読みます。そして、アメノウズメ命が服をはだけて踊り出し、八百万の神々が一斉に笑います。天照大御神これが気になって言われます。
「吾が隠りますによりて、天の原自ら暗く、また葦原中国も皆暗けむとおもふを、何由にか、天宇受売は楽(あそび)をし、また八百万の神も諸笑へる」
(古事記)
私が隠れたので高天原も地上の国もみんな暗いはずなのに、なぜアメノウズメは歌舞して、八百万の神々も笑って楽しんでいるのか?という意味ですが、世界が真っ暗になってうち沈んでるはずなのに笑って楽しんでいる、これに関心を持たれたわけです。
つらいときには楽しいことを何でもいいから想像しましょう。旅行に行くとか、ゲームをするとか、食べ歩きをするとか。もちろん楽しいことだけやっているわけにはいきませんけど、楽しいことを思い浮かべつつ、日々頑張っていきましょう。真面目な人ほど遊ぶことに罪悪感を感じることが多いですが、気にすることはありません。気楽に行きましょう。
楽しいことというのは、つらいことを乗り越えるだけの力があるのです。
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<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
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