人生のヒントは自然にあり
日本人は人間を自然一部と考えている。これは西洋の学者からよく言われることです。絶対主ゴッドによってこの世界が作られたとするキリスト教を基盤とする思想と異なるからでしょう。そのため、日本人のその思想は神道によるものである、と思われているようです。
事実、古代から日本人は自然を征服すべきものとは考えず、自然を崇拝し、自然を利用し、自然の恵みに感謝し、また、自然を恐れました。自然のあちこちに神がいると考えました。イザナギ神、イザナミ神の神生み伝承を見ると、石、岩、戸、家、風、海、港、水、風、山、野、霧、火などをつかさどる神さまがおられます。
自然を利用すると書きましたが、日本人の生活を見てみると、自然をうまく使って工夫してきた歴史だといえるでしょう。
発明家の中には自然からヒントを得た人が少なくありません。蜂の巣に使われているような六角形を敷き詰めたハニカム構造は強度に優れますし、蜘蛛の糸を研究して新しい繊維を作るような研究は今でも行われています。
発明や産業関係だけでなく、そのほかの面でも自然からヒントを得ることは大切なことです。当たり前の景色になるとあまり気にしませんが、アイディアに煮詰まったときは、自然の動物、植物、あるいは山や川や土をよく観察してみると良いでしょう。
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<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
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