人生何か一つでも自信を持つことが大切です

何か一つでも自信を持つ

何か一つでも自信を持つ

 天照大御神は弟のスサノオ命の乱暴狼藉に耐えかねて、天の岩戸にお籠もりになってしまわれました。そのため世の中は真っ暗となり、悪い神たちがここぞとばかり暴れ始めます。
 そこで八百万(やおよろず)の神さまたちは天の安の河原に集まってどうすべきか会議をされます。八百万とは具体的にその数字というわけではなく、とにかくたくさんの、という意味です。

 まず、名前からすると思慮深い神さまと思われる思金神(おもいのかねのかみ)が策を考え、長鳴き鳥を集めて鳴き、岩と鉄を取って鍛冶師の天津麻羅(あまつまら)を探し、伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)に鏡を作らせ、玉祖命(たまのおやのみこと)にたくさん勾玉をつかって玉の緒を作らせ、天児屋命(あめのこやねのみこと)と布刀玉命(ふとだまのみこと)を呼んで鹿の骨を抜き取り木の皮使って焼いて占いをさせて、榊を根ごと掘ってきて玉の緒と鏡と布を掛けて、布刀玉命が幣として持ち、天児屋命が祝詞を読み、天手力男神(あめのたぢからおのかみ)が岩戸の陰に立ち、天宇受売命(あめのうづめのみこと)が踊りを見せる
 と神さまたちがみんなで分担をして、なんとか天照大御神に天の岩戸から出ていただこうと工夫されるわけです。

 これはよく考えてみると、非常に面白い話です。すごい神さまが一柱(神さまの数え方は柱です)出てこられて、えい、とやると全部変わる、という話でもよいような気がします。しかし、日本人は思わなかったのですね。八百万の神さまたちがそれぞれ得意の分野で力を発揮するという話になっているのです。
 日本人の神さま観ということになりますが、これは人間の世界でも同じことではないでしょうか。一人の人間が全部の仕事ができるわけではありません。世の中は多くの人がそれぞれ仕事を分担して、また協力することによって成り立っているのです。

 人間優劣は多少ありますし、得手不得手もあります。ただ、「自分には何もない」と考える人もいます。謙虚な人ほど、そう思ってしまうようです。
 そんなことはないのですが。このように思ってしまう人は何か一つ自信を持つとよいのではないかと思います。小さいものでも構いません。今の自分に与えられた仕事でもいい。それが自信につながって、またいい方向に進み出すと思うのです。


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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

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