本物の霊能者を探す人へ
霊能者とは
このページの筆者は現在京都で出雲大社紫野教会というところの神主をしています。
ここ出雲大社紫野教会にはお参りに来る人、御祈願に来る人、人生相談に来る人、大国主大神さまに救いを求めてくる人、などなど様々な方が来られます。いろんな霊能者遍歴、また宗教遍歴を重ねて来た方ともよくお話しします。また人生相談（→人生相談のページへ）も行っています。そんな方々とお話しする中で、霊能者についての話を聞くことがあります。さらに、神主になってから、宗教界の話を聞くと霊能者という人の活躍を聞いたりもしました。なお、子供の頃からこの手の話は好きだったとはいえ、筆者自身に霊能力はまったくありません。
まずは霊能者とは何か、ということですが、種類はいくつかあります。ただ、多くの人が探しているのは、ある悩みを持つ人を鑑定したら、常人では見えないものが見えてその原因がわかる、あるいは人の未来がどうなるかわかる、というタイプでしょう。
例えの話ですがこのような感じです。
相談者が訪れて悩みを告げる。「最近病気に悩まされていて、医者からも原因不明と言われて苦しんでいます」。霊能者はそれを受けて、祈る。すると頭の中に何か映像が浮かんできて、「あなたのご先祖でこういう人がいて、不幸な死に方をしたようで助けを求めてます。しっかり供養してあげてください」と諭す。確かに家族でピタリと合う亡くなり方をした人がいた。そこで、熱心に先祖供養したところ、体調がよくなっていった。
そもそも霊能者はいるのか
そういう不思議な能力を持つ人がいるのか、自分は信じないという人がいても当然だとは思います。ただ、大勢の信者を持つ霊能者の人が何人もいましたし、全部が全部偽物ではないでしょうし、実際筆者もいろんな方のお話しを聞くと、「誰にも言ってないことを言い当てられた」という人も何人かいます。
そう聞くとすぐにでも霊能者を探したくなりますが、なかなか簡単にはいきません。というのもなかなか見つからないからです。「凄い当たる人がいる」という知り合いからの口コミが今も昔も最強ですが、そのような話はめったにきません。
そこで今はインターネット全盛の時代。ネットで調べるという人がほとんどです。しかしこれが問題で、なかなか良い人に巡り会えません。（→インターネットで霊能者を探すと）
霊能者をたまたま探し当てたとしても、次は本当に力があるのかが問題になります。これが本当にピンキリでなかなか難しいようです。偽者も存在します。
実は人の悩み聞くような経験を積めば、霊能者のまねごとは誰でもできるということがわかります。まったく霊感がない自称霊能者もいるのではないでしょうか。ただ悪徳な人でまるっきり最初から詐欺という人もいるとは思いますが、大半は元々オカルト好きで、そこから入ってきて転落した人なのではないかと思います。
そんな霊無能者でも霊能者っぽい話し方をすれば、人の心を動かすのは簡単なのです。ですから、私は絶対にそのような話し方をしないと決めています。
では本物の霊能者は
それでは、テレビに出てたり、本を出してるような有名な人なら、優れた霊能者だろう、と思う人もいます。筆者もおそらくその可能性が高い、とは思いますが、それでも１００％は当たらないようです。
最近は何でもネットに上がりますから、テレビで有名になった霊能者に見てもらったという体験談を見ていくと、どうも当たっていない事例が多々あるようです。例えば以前見たツイッターには
「（誰もが知ってる有名霊能者の）○○さんに見てもらって、30歳で結婚すると言われたけど、私今34歳で独身です」
というようなものや、全然当たっていないという嘆きや、何も憑いていない、だけで鑑定が終わって怒る人もいます。インターネットの書き込みですから、そのまますべて鵜呑みにしてはいけませんが、どうも有名な人ですら１００％は当たらないのだと思わざるを得ません。
しかし、相談者としては１００％で当たってくれないと困ります。いろんな霊能者にこうしなさいと指示されたのに、何も変わらない、という人も少なくありません。また、詐欺師のような自称霊能者も残念ながらたくさんいるようですから、時間だけでなく多額のお金も失ったという例もあります。本物の霊能者を知っていますか？紹介して下さいとたまに聞かれることがありますが、本当に難しいことです。
霊能者を探してぐるぐる
また、興味深いことですが、霊能者に鑑定してもらった、という人でも、再び他の霊能者を探していることが非常に多いです。
どうやらその理由は、結局何度か見てもらううちに当たらないことが多くなった、というのが主因のようです。一度ズバリ当ててくれた霊能者でも、その後も全部当ててくれるとは限りません。また、その霊能者が性格に合わなかった、ということもあるようです。
他には、中には自分の聞きたい答えを言ってくれなかったから、というのもあるように思います。例えば「霊の問題じゃないので、あなたが頑張りなさい」というのは聞きたくない答えでしょう。
かくして、あそこは当たらなかったので、今度は他のところに行こう。また、どこか当たる霊能者はいないかと、ぐるぐる探しまわる人は珍しくありません。
霊能者が見つからない時は必死に探して、見つかったと思ってもまた他の霊能者を探し出す。永遠に心が休まることはないのかもしれません。
それでも必死に探すのは当然です
神主として、参拝者、祈願者の人たちと接していますと、どうしようもなく深刻な悩みを持った人にもお会いすることになります。悩んでいる人たちが、怪しいとわかっていても、霊能者をなんとか探したいと思うことは、おかしなことではなく、当然のことであろうと思います。
ただ、なかなかよい霊能者とは巡り会えません。これは神さまごとではありますから、本当に必要な人には、その機会が巡ってくるはずで、来ない人はまだその時ではないのだろうと思います。
たまたま巡り会えた人も、霊能者は外れる時もありますし、自分に都合のいい時に都合のいいことを言ってくれる便利屋でもない、ということをわかっておく必要があります。当たる当たらないよりは、信頼できるかどうか、人柄を重視してください。
また、霊能者の体験談等をたくさんみていくと、指摘しているのはだいたいこの2つことにまとめられます。
・先祖関係（亡くなった先祖、家族が供養されていない。またはお墓など祀りの仕方に問題がある）
・家関係（住んでいる家の家相、土地、あるいは家の中の造りや置いてある物に問題がある）
このどちらかですから、霊能者が見つからないという人は、先に自分で対策してみましょう。
今できること
霊能者はともかく、今、何かできることがありませんか、と聞かれることがよくあります。
出雲大社の御祭神である大国主大神さまにお願いしましょう、とお話ししています。
・先祖関係
先祖供養は仏教で行う家が多いですが、実は神道においては出雲大社の大国主大神さまは幽冥（かくりよ）つまり死後の世界を治める神さまでもあられます。そこで、お葬式や神道式の先祖祭祀（供養）も熱心に行っています。仏壇もあってお寺さんと付き合いがある、という方は仏式で熱心に行えばよいですが、特に仏教にこだわりがないという方は神道で始める方が増えてきています。
詳しくはこちらのページをご覧下さい。→みたままつりのページへ
・家関係
家の問題に対処するよいものがあります。昔からの出雲大社の信仰に「出雲屋敷」というのがあり、これは出雲大社から頂いた神土を土地に納め、神札を建物に貼ることによって、土地屋敷を大国主大神さまの神屋敷とすることとなり、鬼門や家相などの悪いものからすべて護られるというものです。詳しくはこちらのページをご覧下さい。 →出雲屋敷について
・お札
出雲大社のお札をお祀りしましょう。大国主大神さまは神さまの世界を治める神さまなのです。
霊能者の方でも出雲大社に熱心にお参りしたり、お札などをお祀りする方は結構いらっしゃるようです。知っている霊能者がいてもいなくても、お祀りして大神さまからのお護りを受けて下さい。
出雲大社のお札、お守りを授与しております。 →授与品（お札、お守り）のページへ
追記
このページをご覧になった方へ
・これを書いている人間は霊能者ではありません。ただの神主です。
・紹介できる霊能者がいますか？と聞かれますが、知っておりません。
まれに勘違いして電話してこられる方がいて申し訳ないですので、念のために再度記させていただきます。
＜このページの筆者＞
中島隆広 ： 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
★教会長中島の本が出ました！
日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。
