霊能者と地震予知
この世の中には霊能者という人がいて、普通の人には見えないものが見えて、悩んでいることの原因が見えたり、あるいは人の将来が見えたりするようです。
そこで話が出るのは霊能者は地震を予知することができるのか、ということです。個人的に大変関心があって、いろいろ見てきました。結論から申しますと、どうも予知は無理のようです。
あるネット霊能者の話
インターネットだけで活躍しているある霊能者のような人がいます。ような人がいる、と書いたのは、ネットだけでは本当に霊能力があるのかわからないためです。ネットだけで活動する人に、実際に力ある人は少ないような気もしますが。
その人のブログは大変人気だそうで、本も出しているようです。毎日記事を書いているようで、それは立派なことであるとは思いますが、ブログの記事の中で、この時期この辺りで地震が起きそう、というような話をよくしていました。が、一度も当たった話を聞きません。
そして平成23年3月11日。あの東日本大震災が起きる前に書かれたそ当日のブログも、いつもと変わらない普通の内容でした。
この人だけでなく、東日本大震災の前に、この日に大地震が起こると言った人は見あたりませんでした。
地震はたくさん起こる
たまに「地震を的中した」という話がネットで出てきます。詳しく調べると、嘘か、あるいはいつも地震が来ると言っている人のようです。
実は地震は毎日たくさん起こっています。平成29年の1年間で日本で起こった地震は、なんと2,025回もあります。1日あたり5回以上です。震度3以上に限定しても182回。つまり2日に1回も起こっていることになります。これだけあれば、何度も地震が来そうと言っていれば、いつか当たりそうです。なお、東日本大震災が起こった年や熊本地震が起こった年には地震の数がもっと増えています。
外れた場合は
地震予知は当たり外れがはっきりわかりますので、予知を売りもの?にする人は、外れた時の言い訳を用意しておかなければなりません。霊能者系で多いのは「みんなの祈りで押さえられた」というものです。信者を作ってつなぎ止めておくには、それが一番いいのかもしれませんが、何だかな、と思う気持ちがあります。そんなんでええんかいなと。
大地震というのは被害がかなり大きく、人命も失われることも多いですから、何とか当たらないものだろうか、と思う気持ちが私にもあります。ただ、霊能者という人にも限界があるということでしょう。地震だけでなく、霊能者に期待しすぎてはいけないと感じます。
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<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
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日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。