霊能者や霊感占い師のプロフィールを見ていると興味深いですね

■神主中島、神道のお話「霊能者や霊感占い師のプロフィールを見る」

 インターネットで霊能者と称してる人や、霊感占い師の人たちのプロフィールを見ているとなかなか興味深いですね。中には神主としてはおいおい、と言いたくなるものもあります。

<○○の家系>
 ○○は宗教者の職業が入ります。神主、僧侶、修験者、陰陽師、霊能者、占い師などなどです。例えば「代々陰陽師の家に生まれ」とか「母方は神主の家系で」といったものです。
 問題は、霊能者という人たちを見ていくと、どうも霊能力はほとんど遺伝しないということです。身長とか病気になりやすさとか、人間が持つすべての要素はある程度遺伝するものだと思いますが、霊能力に関しては違うようです。もし遺伝するのならば、凄い霊能者の親子兄弟にもある程度は遺伝するはずですが、遺伝したという話をほとんど聞いたことはありません。ただ、霊感のある人は女性の方が多いからでしょうか、母娘で聞いたことはあります。しかし、同じくらい凄い霊能力というのはなかなか遺伝しません。やはり、そういう不思議な力は神さまが与えるものなのでしょう。
 なお職業柄、代々の神主をやっているという家に生まれた人を何人も知っていますが、霊能力を持っている人はいません。

<神職資格>
 神職資格を持ち、とプロフィールに書いている人がいます。神社の資格というと、神社本庁が発給している神職資格が標準です。これは國學院大學、皇學館大學などの学校の神職課程を卒業する、あるいは神社からの推薦を受けて神職養成講習会に参加するなどすれば、霊能力関係なしに誰でも神職資格を取得することが可能です。(講習会などは神社からの推薦がないと受けられませんので、縁がないと難しいですが)
 教派神道の資格ならば、その教団に属して許可を得れば、資格取得も可能です。神社本庁資格よりは少し取得が楽ですが、ただ、神職資格とは称していないかもしれません。例えば出雲大社教では神職ではなくて「布教師」としています。
 もっとも、神社本庁神職資格といっても、実は民間の資格であって、公的なものではありません。ですから、勝手に神職を名乗るのも自由です。自称だとバレると恥ずかしいですから、さすがにする人は少ないようですが。(本物の神職が装束や神前作法を見ればすぐにわかります)

<神社勤務経験>
 神社に勤めていたことがある、という経歴を載せている人がいます。これはなかなかよいことです。例えば、江原啓之さんは神社に奉職されていたことがあるそうで、ですから、霊能力に関してはわかりませんが、神社に関するお話は正しいことを言われています。神社の経験ない霊能者占い師などは、神社関係についてはめちゃくちゃなこと言っている人も少なくありませんので。
 ただ、神社に神職あるいは巫女として勤めていたからといって、霊能力が身につく、力が増す、といったことはほとんどありません。特にそういう能力を開発する、開発されるようなこともありません。
 ごくたまに神社の内部を知ってる一般人はいないと思って、すごい経歴話を作ってる人がいます。これも神職が見るとすぐに嘘だとわかりますのでやめておきましょう。

<修行>
 どこどこで修行してきた、というのを売りにしている人も多いようです。これもまた大切なことであると思います。
 ただ、私の聞く限り霊能力の凄い人はだいたい子供の頃からその力を持っているようで、大人になってからで突然力が増してきたというのはあまり聞きません。
 霊能者や占い師の先生について修行した、と書いてあることも多いです。いろいろ学ぶことが出来ますから、先生につくのはよいことです。ただ、力の大きさは素質によるものの方が圧倒的に大きいように思います。
 霊能力関係無しに、普通の人であっても精神修養といった点で修行することには価値があります。

<神仏混淆>
 神社だけでは箔がつかないと思うのか、神道と仏教、あるいは陰陽道などを組み合わせる人が非常に多いようです。一本に絞った方がよいように思いますが。

☆まとめ
 霊能者、霊感占い師のプロフィールを見ていて思うのですが、みんなが期待するような霊能力があれば、肩書きや経歴など一切不要なのではないでしょうか。そう言ってしまうと身もフタもないわけですが。

 プロフィールを盛る、ということが、就職などの個人の経歴において、世間ではよく行われているようです。占いの世界もその一つなのでしょうか。商売ということを考えると「盛る」をするのはわからないでもありませんが、ハッタリの連発みたいなプロフィールが多いように感じます。特に霊感を売り物にする占い師が増えてきた、というのもその要因の一つだろうと思います。
 見ている人も話半分に思っている、とは思うのですが、話10分の1程度に見ておくのがよいのではないでしょうか。


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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

★教会長中島の本が出ました!
 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

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