■神主中島の話「除霊について」
除霊してほしい、という連絡をもらうことがたまにあります。私は神主で霊能者ではありませんよ、とお話ししますと、今度はできる霊能者を紹介してほしいと言われますが、残念ながら知り合いにおりません、とお話しいたします。
憑いていないような
ただ、電話でお話しする限りですが、本当に霊が憑いているというような人はいないように感じます。私は霊能者ではありませんので不思議に思われるでしょうが、私の経験上、また、憑いている人の話を聞く限り、それとは違うように感じることがほとんどだからです。
そういえば、かの宜保愛子さんも「霊が憑いてる人なんて滅多にいないわよ」と言ってたという記事を昔読んだことがあります。とはいえ、霊感が強いというか、霊に取り憑かれやすい体質の人というのもいるので、まったく否定することも出来ません。女性の人に多いようです。
神社でのお祓い
神社でお祓いという方法はあります。出雲大社紫野教会でも行います。ただ、うちでも特別な秘法とかあるわけではなく、通常の神社の御祈願と同じ形で行います。霊が離れてくれることもありますが、離れないこともあるでしょう。
やってみなければわかりませんが、除霊してほしいという人に、神社でのお祓いをお薦めしても、納得してもらったことはありません。あくまでも霊能者に祓ってもらうのでないと信用できないようです。その気持ちはわからないでもありませんが。
憑いたの判断は
除霊を依頼する人は、なぜ霊が憑いてるとわかったのでしょうか?セルフ判断か、あるいは霊能者や占い師とか霊感のある人に言われたということのどちらかなのでしょう。
ある霊能者から○○の霊が憑いている、と言われたという方に「その霊能者は祓ってくれなかったのですか?」とお聞きしたところ、自分には出来ないと言われたそう。無責任な霊能者もいるものです。人を不安にさせるだけなのではと思いますが、だから祓ってくれる霊能者を探しているそうです。
そもそも、その鑑定があってるかどうかわからない、という問題もあります。何でもかんでも霊が憑いてるとかいう人もいるようです。
自分の力をつけよう
たまたま霊能者が見つかって祓ってもらったとします。これで一件落着のように見えますが、一度祓っても再び帰ってくる可能性もあります。また、霊が憑きやすい体質の人には、他の霊がよってくる可能性があります。
困った霊が頼って来ちゃうんですね。かといって一方的に頼られた方はしんどくなるだけでいいことありませんし、霊の方が自ら何とかしてもらわないと困ります。
そこで重要なのは、自分も修行してなるべく霊の影響を受けないようにすることです。体質ならばある程度は仕方ありませんが、うまくコントロールできるようになりたいものです。霊能力に自信がある人は自己流でやるという人もいるかもしれませんが、なかなか難しいものです。神道でも仏教でもなにかしっかりしたところで学んだほうがいいでしょう。霊能者の人で確実に頼れる人がいればそれでもいいでしょう。一番行けないのはいろんなところ、霊能者やヒーラーとかをウロウロすることです。
神道で修行するという道もあります。出雲信仰についてならお教えできますから、一度お越し下さい。大国主大神さまにお願いしましょう。
<このページの筆者>
中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。
★教会長中島の本が出ました!
日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。