神道と六曜

神道と六曜

 神社に熱心にお参りされる方ほど、六曜(六輝)を気にされるようで、実際仏滅の日はご祈願に来る人がめっきり少なくなります。そのため、神社も六曜の影響を受けざるを得ないのですが、実は神道と六曜はほとんど何の関係もないと言っても過言ではありません。

 六曜の歴史

 六曜がどこから来たのか、というのを調べますと、よくわかりません。元になった物はあるようですが、物滅が仏滅に変わったりして、変遷をたどり、明治時代にぽつぽつ暦に見られるようになり、広く普及したのはつい最近、第二次世界大戦以降のこと、という非常に歴史の浅いもののようです。暦をいろいろと見ますと、「この日は○○だから△△に良い」という日の吉凶を見るものは六曜だけでなく、七曜、十二直(中段)、二十八宿などたくさんあります。これらはすべて中国から来た陰陽五行説に基づいて出来てきたもので、二十八宿などは非常にその理論が反映されていますが、六曜が一番いい加減なものです。

 六曜が広まったのはわかりやすいから

 しかし、そんな六曜が一番広まったのは、「わかりやすいから」ということに尽きると思われます。大安だから吉、仏が滅ぶから凶、友を引きそうだから葬式には凶、とかすぐに覚えられるし、イメージもわきます。これが二十八宿になると「今日は箕だから葬式は凶」とか二十八個も覚えられません。
 六曜においても「赤口」という日があります。しかし、「今日は赤口だから…」とは滅多に使いません。そもそも呼び方も「しゃっこう」「しゃっく」など読み方すら統一されていません。これを見ても、わかりやすいものだけ広まる、というのがわかるかと思います。

 さんりんぼう

 それから、六曜とは別ですが、「さんりんぼう(三隣亡)」というのもいい加減なもののようです。もともと江戸時代には「三輪宝」で建築によい、という話があったのに、いつの間にか字が置き換わって、しかも建築に大凶となってしまいました。これも一般に広まったのは戦後のことです。
 暦についてもっと知りたい方は「現代こよみ読み書き事典」(岡田芳郎+阿久根末忠、柏書房)という本が由来等詳しく説明していて、よくわかる本でお薦めです。

 心配せず神さまの御守護を受けて楽しい日々を

 このように、六曜にしろさんりんぼうにしろ、いい加減なものが広まるわけですが、かといって、気にするなと言われても気にするのが人間です。説明されると、理屈ではわかるのですが、それでもやはり気になります。
 そこで私は常に「出雲さんの信仰を持つ人は、大国主大神さまに守られていますので、六曜を気にしなくても構いません」とお話ししています。この日は凶だとか、そういう心配にあまり囚われず、大神さまの御守護を得て楽しい毎日をお過ごしになるのがよいかと思います。

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<このページの筆者>
 中島隆広 : 出雲大社紫野教会、教会長
昭和46年京都府生まれ。名古屋大学経済学部卒業、会社員の後、パソコン部品のインターネット通販の会社を起業して経営する。会社売却の後、國學院大學神道學専攻科に入学し、神主となる。

★教会長中島の本が出ました!
 日本人が伝えてきた心、そして生き方を、神道、神さまの話を中心としつつ、語った本です。相当な時間を掛けて作り上げました。ぜひ一度お読みください。

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